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毎日新聞と東京新聞は匿名を継続 
元少年の被告は実名か匿名か、報道各社で分れた判断




★元少年の被告は実名か匿名か 報道各社で分れた判断

 山口県光市母子殺害事件で、死刑が確定することになった犯行当時18歳の大月
(旧姓・福田)孝行被告(30)について、20日の上告棄却後、新聞やテレビは実名
報道に踏み切った社と、匿名報道を継続した社とに分かれた。各社は21日付朝刊や、
ニュース番組の中で、実名・匿名を判断した主な理由を説明した(表参照)。

 少年法61条は、家庭裁判所の審判に付された少年や少年時の事件で起訴された人の
氏名の報道を禁じており、各社は大月被告を匿名で報じてきた。ただ、61条について
日本新聞協会は「扱いの方針」(昭和33年12月)の中で、少年保護よりも社会的
利益の擁護が強く優先する特殊な場合は除外例とするよう当局に要望、新聞界の慣行
として確立することを明言している。

 今回、新聞は産経、朝日、読売、日経の各紙が21日付朝刊で実名報道。産経は死刑
により「更生の機会が失われ、事件の重大性も考慮」したことを主な理由とした。朝日
新聞は「国家によって生命を奪われる刑の対象者は明らかにされているべき」と主張、
読売新聞も「国家が人の命を奪う死刑の対象が誰なのかは重大な社会的関心事」と付け
加え、情報公開の観点からも必要性を強調した。

 毎日新聞と東京新聞は匿名を継続。毎日新聞は、更生について「心持が根本的に変化
すること」と広辞苑の定義を引用し、死刑によって更生の可能性がなくなるとする見方
にくみせず、刑確定後も大月被告の心からの謝罪を求め、再審、恩赦の可能性にも触れ
た。東京新聞も再審、恩赦制度に言及し「少年法が求める配慮はなお必要」とした。

 テレビ各局は更生の可能性が喪失したことを主な理由に実名報道。テレビ朝日、
TBS、フジテレビは、国家権力行使の監視の観点を理由に加えた。
           ◇
 元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授の話「多数のメディアが実名に切り替えた
のは妥当な傾向と思う。少年法はかつて保護一辺倒だったが、凶悪犯罪の増加で国民も
その不適切さを感じ、近年は責任主義の理念に基づく一部改正もなされた。その基準に
照らし各メディアも判断しているのではないか」

 元家裁判事の井垣康弘弁護士の話「死刑や無期懲役は、少年法の原則保護主義の枠を
はるかに超えたいわば『想定外』のケースだ。検察官が元少年に死刑を求刑した段階で、
報道機関は死刑にすべきかどうか社会に判断材料を提供すべく、実名・顔写真も含め
元少年に関する全情報を収集し公開すべきだった」

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